2010年02月27日

田舎町の美味しい食堂の話

東京から2〜3時間ほどかかる小さな駅だ。
歩いて10分ほどのところに、20席に満たない食堂がある。

観光で来ていた男が、酒とメシと鮎の塩焼きを頼んだ。

食事を終えた男は店主に言った。

「昼の酒は極上だね」

「ああ、そうだね。まぁ、俺はいつもだけど」

「いや、それにしても、ここの食事は素晴らしい味だ。お世辞ではなくて。東京の名店と呼ばれるところと比較しても、美味いと思う」

「そうかい、ありがとうよ」

「鮎がいい。また、メシが合う。そして、この酒が絶妙だよ。有名な米や酒なのかい?」

「この町で作っている、地元の人しか知らないような無名の米だ。
酒を作る水は、その米と、鮎が育った水だから、相性がいいのかもしれないな。
俺は小さい頃からずっとこればっかり食ってきてから、普通だがね」

「それにしても、美味い。この店の営業時間はどのくらい? あと2日はこのあたりに泊まっている。夜にもぜひ来たいんだ」

「夜はやってないんだ。それに、営業時間というのは決めてないな。晴れていて、気が向いたら昼から3時間くらい店を開く。仕込みにも時間はかからないからな」

店主はタバコに火をつけて、うまそうに吸い込んだ。

「もったいない。せっかく来ても閉まっていたら、ファンが離れてしまうだろうし。
もっと長く営業すれば、それだけ売り上げもあがる。
何より夜の客単価は昼の4倍くらいだ。さらに言えば、ちょっと先の幹線道路に看板を出すだけで、ここに新規客も誘導できる」

「鮎は俺と女房の好物だ。客が来なくても、三食これでもいいくらいだ。
週に10人の客が来てくれるだけで、十分やっていける。
隣に小さいアパートが見えるだろ? 俺は、あそこに住んでいて、他の3部屋は人に貸してる。わずかだが、家賃も入ってくるんだ」

「気が向かないと仕事をせず、そして仕事をしても昼間の3時間くらいかぁ。余った時間は何をしてるの?」

「毎日の生活のことかい? 取り立てて話すようなこともないけど」

「いや、興味があるな。教えてくれ」

「自然に目が覚めるまでゆっくり寝るんだ。
起きたら、女房と朝飯を食い、犬と近所の川を散歩する。そして店を開く。店は午後3時くらいには終わる。
俺は古い小説が好きでね。
図書館が近いから本には困らない。
鮎をアテに、ちびちび酒を飲みながら読書を楽しむ。
夜になったら、友達と将棋をしたり、カラオケをしたり、遊ぶんだ。雨の日は、女房とネットゲームだな。
これで、一日が終わる。日曜は子供が出る空手の試合の応援に行ったりする。この前は、3位になって支部長に褒められたんだ」

男は両手を前に出して、眉間にしわをよせた。

「私の本業はコンサルティングだ。
そこで、あなたにアドバイスしたい。
今のあなたの話は、空手以外は全部ダメだ。
あなたはもっと働くべきだ。
営業時間は12-14時と、17-24時。
まぁ、交通量の調査をしてみて、ベストな時間帯をみつけるべきだから、これは目安だ。そして、視界性といって、店を認知させる努力をすべきだ。看板ひとつを取っても、奥が深いんだよ。
おそらく、ここの鮎と酒なら、売り上げはかなり上がるだろう。
見たところ、競合店もない。同じ頃、会社登記をするべきだ。
そして、利益をあげていく。
二店舗、三店舗と店を増やしていく。
最初は利幅がなくても、競合が少ないところがいい。
いわゆる無風地帯だ。
ここも、まさにそうだろう。
スピードが大切だから、利益だけじゃ新規出店の投資額をまかなえないと思うが、会社にしておいて3期利益を出せば、銀行もかなり協力してくれるだろう。
やがて、直営だけじゃなくて、フランチャイザーも入れて、チェーン展開を開始するんだ。
そうなったら、鮎の養殖、米の生産も自前でやろう。
一次産業、二次産業、三次産業があなたのビジョンのもと、調和のとれた連動を行い、顧客やステークスホルダーに食と健康と安らぎを与えるんだ。
その頃、この店の本社はこんな田舎じゃなくて、東京の真ん中になっているだろうね。
そうなったら、あなたは本社のオフィスから、フランチャイザーや直営店に指示を出す。あなたの号令で、1000人、1万人という人間が動くんだ」

「それは凄いね。ただ、いったいどのくらいの時間がかかるんだい?」

「早ければ15年といいたいところだけど、まぁ、20年くらいは見たほうがいいだろう」

「そうなったら、どうなるんだい?」

「それから? 凄いことになるよ。まったく違う世界が開ける」

男は口元をゆるめ、上気した表情で続けた。

「会社を上場するんだ。そして、あなたは億万長者になる。市況にもよるけど、100億円くらいの資産なら、射程距離だ。もう、買えないものなんか、ほとんどなくなる」

「億万長者になってどうするんだい?」

「ここからが本番だ。
100億円あれば、もう忙しくする必要はなんかないんだよ。
憧れの引退生活が待っている。
あなたは、自然に目が覚めるまでゆっくり寝るんだ。
起きたら、奥さんと朝飯を食い、犬と近所の川を散歩する。
今度の食堂は仕事じゃなくて、趣味だから、好きな時に営業すればいい。
時間に縛られる作業なんかまっぴらだ。
昼だけちょっと営業してもいい。
そして、鮎をアテに、ちびちび酒を飲みながら読書を楽しむ。
夜になったら、友達と将棋をしたり、カラオケをしたり、遊ぶ。
雨の日は、奥さんとネットゲーム。
どうだい、最高の生活だろう?」


※上はネットで見かけたアメリカンジョークを、現代日本風にアレンジしてみました。

posted by 手嶋 at 15:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月20日

アバターの感想

アバターをみた。

米国の映画って、基本的に「政府の正当化」だったり「米国文化への洗脳」が目的だと思っていた。

たとえば、戦争をカッケー(カッコイイの俗語)グラフィックでグルグル回しちゃったりして、ゲームに仕立てて、現実感から遠のけたり。

あるいは、アメリカの大量消費を「ワンダフル素敵ちゃん!」と植えつけて、どんどん消費してもらい、その中心にはアメリカの製品、みたいな。

そんなプロバガンダと映画業界は長らく蜜月だったのではあるまいか?

それが、今回、ジャームスキャメロンは、2つのタブーに挑んでいる。

木に神が宿るというのは、多神教の考え方だ。

我々はセイント聖矢でギリシャ神話を学び(?)セイントの数だけ神がいることを知っている。

そして、古事記で怒れる神々に触れ、やはり沢山神様がいるらしいことも無理矢理教えられた。

しかしながら、一神教であるキリストまんせーの米国にしては、なかなか挑戦的である。
カトリック原理主義者からしたら、到底受け入れられるものではないだろう。

まぁ、ダーウィンを否定する米国の知識階級が、兵器だの金融工学なんかを作っているのはそもそもまったく意味が分からない、という話は、今日は脇に置いておこう。


でもって、話の流れとしては、はるか宇宙の果ての物語ではあるけど、完全にアメリカ先住民であるインディアンを追い出した「侵略」のアナロジーである。

アンドリュー・ジャクソン大統領の「インディアン絶滅政策」

と、

アバターに出てきた軍人が、どう違うのか、ぜんぜん分からない。

さらに、イラク戦争の厭戦気分も、確かに刺激している。
米国の保守層はブーブーちゃんらしいね。



米国が映画をプロパガンダに使わなくなったのか?

あるいは、すでに「統制」できる段階ではないのか?

はたまた、ユダヤがアメリカに見切りをつけはじめたところなのか?

単にキャメロンが弾けただけなのか?



彼の次回作に、上の答えがあるのもしれないけど、また13年も待たされたら、すっかり忘れちゃうんだろうな。

posted by 手嶋 at 21:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最後にJALの株を2700万円買った人って・・・

明日は試合だというのに、会社で仕事をしている。

試合の前、私はあまり緊張するたちではないのだけど、基本的に試合は痛いし、たまに骨折するので、怖い。

怖い=緊張している、という意見もあると思うが、緊張は「失敗してはいけない」という気負いから発生するモノだと思っているので、私の中では恐怖と緊張は違う。

勝つ気で出るけど、負けても失うものもないので、いつものように戦うだけだ。

JALについて。
東京証券取引所での取引最終日を迎えた。
最終日に1株1円で2700万円分も買った人がいたそうな。
上場廃止・無価値になるはずのものをなぜに2700万円も。

電子化されているので、紙も出ないから、ほんとに紙くず以下。これに2700万円って、何か意味があったのかな?

「2円で売るつもりで1円で買ったものの、そのまま売れなかったのでは」という分析もあったが、どうなんだろうね。

これ、たとえば300万円だったら記事になっていたのだろうか?
1000万円なら、なっていたとは思う。

もしも300万円でも記事になるのであれば、この後、本人が名乗り出れば、かなりの「効果」が見込める。

よく分からないけど、世の中のトレーダーを組織化するようなサイトを後発で作るとして、だ。
その仕掛け人が、こういう「事件」を起こして、露出すると、アクセスは集まるだろうし、「珍現象」と連動したテーマで市場を分析する、みたいな切り口のサイトであれば、独自性もあるだろう。

なぜ、私がJALを買ったか?

みたいなリリースを流して、妙な仮説やら論理を展開すれば、興味を持ってくれる人も大勢いるだろうし。

と思ってみたけど、やっぱり単なる酔狂か、ミスなんだろうね。
posted by 手嶋 at 21:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月07日

たまに書きたくなるんだけど

女性についはよく分らない。
理由を考えてみるが、サンプルが少ない、女性を見る時に私に不純な思惑がある、化粧をする、などなどを挙げてはみたけど、やっぱり分らない。

しかし、男性ならばだいたい分かる。
30歳を超えたら、もう、95%くらいの的中率だ。

なんの話かといえば「性格が顔に出る」という話。

厳密には性格ではなく「自分に合う人かどうか」が顔をみればわかる。
つまり、善人とか悪人とか、能力が高いとか低いとか、そういう話ではなく、相性だ。

私はコンサルティングという仕事をしている。
ビジネスの中でも、特に顧客との関係性が大事な分野だ。

そのため、相性や、winwinの関係が築けるか? というのが、何よりも優先する。

別に私は、自分が良い人間だと言いたいわけでもく、良い人間だと思っているわけでもない。
そして、ビジネスをする方々にも、いわゆる「素晴らしい人格」を求めているわけではない。
もちろん、素晴らしい方もクライアントには大勢いらっしゃるけど、それは結果論だから、脇に置いておく。

コンサルという仕事で相手にメリットを提示できる、という前提条件が必要だ。
その上で、大切なのは、やりやすさ、とか、私にとって信用できる、とか、お互いにプラスになる関係を築けるか? ということ。

これが、第一印象で70%は分かり、1分話せば95%の確度で分かる。

「今までの経験上、この人とはうまく行かないはずなんだけど、とりあえず、話はお互いのメリットばかりだし、まぁ、いいかな」と、印象論を無視して、理屈で判断してビジネスをご一緒すると、だいたい後で後悔をすることになる。

みんな、この命名がいまいち出来ない「傾向」について、どう思っているのだろうか?
そもそも意識もしてないのかな?

私だけなのか、あるいは、みんな、言わないだけで「当たり前のように直観で多くを判断」してるのだろうか?

ただ、質問って危険なところがある。

質問をした途端に、それがテーマになるわけだ。
当たり前だけど。
で、テーマになった途端に、今まで想定していなかったとしても「頭の中では想定していた」ことが前提になってしまう。
ほとんど無意識なんだろうけど、質問した相手は、私に同調してくれようとしたりする。

特にこの話題は「いつも頭にある」人と「質問されたから急に頭に発生した」では、私的には、似てるようで、ぜんぜん違う。

私がこの話をする前に、自分から「手嶋さんさ、俺ね、なんか顔みれば相性がすぐわかるよ」と言ってくれるような人がいたら、ゆっくり話をしたいとは常々思っているが、まだ、会ったことがない。
と思う。
せっかくしてくれた人がいても、だいたい私が酔ってるかも・・・

ってか、なんで、こんな必死なのか自分でもキモいんだが、まぁ、気になるんだよ!

そうそう、ちょっとズレるけど、木村拓哉さんがレーサーとして登場するドラマがあった。
自宅というか孤児院で、彼が歯磨きをしていた。
普通、歯ブラシは横にするものだと思っていたが、木村さんが縦に使っていたのをみて、私はびっくりしてしまった。

みんなが毎日、当たり前にやってる歯磨き。
しかし、他人のそれを見ることは少ない。

別に人にも「おい、歯磨きしてみせてよ」とは言わないし「おれね、歯磨きはだいたい、縦だよ」という会話も、まぁ、ほんとどないし。

posted by 手嶋 at 00:10| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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